まえがき
ディーラー整備士で就職した人へ、おおまかなステップアップと、その時ごとの心構えを、僕の経験して思ったアドバイスを記載していきたいと思います。
すべての会社や整備士に当てはまる事かはわかりませんが、僕自身は、とても大事な内容かと思います。
新卒1年目から順をおって記載しており最後まで読んでいただければ、きっと皆さんの今後の整備士人生にプラスになると思います。
自動車整備士
新卒1年目 ※すべて先輩の補助&再確認が必要
業務内容や仕事の流れ、電話対応を覚える。 正しい工具の使い方。
オイル交換 無料点検 法定点検 車検整備
今までの知識(専門学校での知識も含め)は実際の現場で使えるのは1割程度と思ってください!
逆に言えば最初の内は車の基本的な知識が身についていれば大丈夫です。
あとは経験と共に自然と覚えていきますし、細かな制御は整備要領書ですぐに調べられるので、すべてを頭に入れようと思わないでください。 入社後まずやるべきことは・仕事の流れを覚えること・先輩の作業段取を盗むこと・自分の技術力に過信せず新人のうちにチョットしたことでも先輩に教えてもらいましょう!
仕事で時に叱られることがあっても、それはあなたの先輩・会社があなたを一人前にしたいと本気で考えているから、そしてお客様の大事な車を整備しているという心構えを知ってもらいたいからです!
※それと自動車整備士に欠かせないのが整備用工具です。 使える良い工具が有るか無いかで作業スピードがまったく変わってきます。 基本的な工具は入社時に支給されますが、ある程度整備に慣れてきたらまず必要なのがエアーラチェットですね! 有名メーカーの物を買って大事に使っても良いですが、僕は次に紹介するような手頃なもので済ませることをおすすめします!
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2~4年目
車検整備はマスター、リコールや保証整備の整備も任せられる。
難易度の低い不具合整備まで一人で道筋が立てられる。
例 サスペンション脱着 ミッション脱着 エンジン始動不良 エンジンストール 診断機の使い方 など
★整備主任者に選任、社内資格試験に挑戦
積極的にまだ経験していない整備をやらせてもらいましょう。
そして自分で1日の段取りを想像できるように心掛けましょう。 良い整備士はこの段取力が優れています。
後輩ができたなら自分が教えられることは先生となって教えてあげましょう!
教えることで自分の知識整理・より深い知識となります。 社内資格もどんどん受けて知識の吸収そして学んだことは即現場で実践しましょう!
※サーキットテスターにはデジタル表示とアナログ表示のタイプがありますが、僕がおすすめするのは絶対にアナログタイプです!単純な電圧の測定なら問題はありませんが、電圧の振れを確認したいときにすごく見やすいと思います。
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KF-33 アナログサーキットテスター 自動車整備に適したDC 15Vレンジ・専用目盛りを装備
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5~7年目
難易度が高い不具合整備まで一人で道筋が立てられる。
例 エンジン脱着 配線図を使う故障探求 異音の診断 など
★自動車検査員資格挑戦、社内資格試験1級に挑戦
8年目~
ひと通りの重整備や故障探求の判断ができ、工場の工程管理を任せられ、後輩にも指導できるように成長。
★正検査員に選任、サービスフロントに選任
*例 車両周辺整理 休憩 ストレッチ 一度サクサクこなせる整備をする など
プライベートなら 趣味遊び 車の洗車 家族 家の掃除 など
このように、整備士として着実にステップアップしていくことで、思い描いていた理想の整備士に近づくことが出来るはずです。年数に関しては会社や店舗によっては前後するかと思いますが、ここで僕が書いたアドバイスを参考にしていただけたら嬉しいです。一人前の自動車整備士を目指して技術も心も成長していきましょう。
サービスフロント
フロントというと皆さんはどんなイメージがありますか? 『フロントは女性じゃないの?』『ディーラーのフロントは接客とお茶出しがメイン?』そんなイメージを持った方もいるかと思います。もちろん接客、お茶出しは行いますし、会社や店舗によりますが女性フロントも多いと思います。女性だと男性ではできない、細やかな気遣いができ、お客様に安心感を与え柔らかい対応ができるところなど、僕も日頃から女性フロントの社員に『すごいなぁ なかなか真似できないなぁ』と感じています。
女性・男性・整備経験者など、それぞれに長所があり誰が一番適任かは決められませんが、整備士経験者のメリットは何かお伝えします。
サービスフロントの仕事には、フロントマンとして接客、ご用命事項の聞き出し(営業が行う場合もあり)、入庫の車の受付、工場整備士へ引き継ぎ、精算書の作成、入金処理、電話対応、など様々な業務があり、接客スキルに整備士としての知識も必要となることがあります。
専門的な問い合わせがあった場合、整備士経験者であれば、すぐにお答えすることができて、その部分は整備士上がりの方が対応がスムーズに行えます。電話問い合わせの場合に、整備士経験者なら問診で不具合現象を聞き出し、そこから車のどのあたりに不具合があるか、すぐに点検したほうがよいかなどの判断もできて、お客様の不安を取り除けることもあります。
整備士⇒サービスフロントになる人へ
フロントは整備工場の司令塔と言っても過言ではないほど重要な仕事です。
整備士の経験・知識を活かして、電話対応や来店のお客様への最初の聞き役となり、それを予約空き時間・予定空き整備士を把握してなるべく早くスムーズに入庫させてお困りのお客様の不安をいち早く取り除くことが大事になります。
フロントの一番大事な心構えは、接客が下手・苦手でも、親身になった真剣で迅速な対応!それがお客様にも伝わり信頼され安心できる人になることです。
自動車検査員
自動車検査員の仕事は、車検の完成検査を実施し車が保安基準に適合しているか確認して適合証を発行するのが仕事で、自動車整備士になった人はみんな、まず検査員になることを目指します。そのくらい整備士の憧れであり目標であります。
仕事の流れとしては、車の入庫受け入れ、書類の整理と作成、整備完了車のライン検査、書類の完成と適合書の作成、書類をまとめて運輸支局に送付、運輸支局から戻った車検証の整理といったことが大まかな流れになります。
ただ、検査員になったからと言って、整備・修理の作業をやらなくなるということはありませんので安心してください。検査員をやりながら、合間に車の整備の作業を行い、車検が無い日には一日整備の作業をすることもあります。そのあたりは検査員の仕事が疎かにならないように他の整備をすることが大事になり、臨機応変に対応する能力が大事になってくるでしょう。
自動車検査員になるには整備主任者を経験後、資格にチャレンジして合格、会社から検査員専任されてなることができます。
自動車検査員は年々改定されていく保安基準を厳守して業務を行わなければなりません。保安基準を守るということは車の検査をして安全な車を世に出すことに繋がり、『走る 曲がる 止まる』の基準が適合し、外装に危険がない状態を維持させて、車が走行することによる危険を防ぐ役割があります。
サービス管理部門
管理の仕事には店舗・地区単位・会社全体の管理と様々ありますが、すべて今まで整備士として経験してきたことを生かして、これからの店舗・会社に必要な今後の取り組みの決定・環境改善・社員育成など、整備士経験者ならではのアドバイスも求められています。ここで紹介するのは次の4つです。
これらは、ディーラー整備工場の中核であり、すべての担当者は、入庫して頂いたお客様のため、現場で実際に修理をしている整備士のために管理をする仕事をしています。
1.サービスマネージャーとは整備工場を管理することが仕事です。
まずサービスマネージャーになりたてのころの僕の感想から伝えますと『想像していた仕事とはまったく違う』そう感じていました。以前の、ディーラーのサービスマネージャー(工場長)と言えば、長年さまざまな整備の経験をしたスペシャリストですので自ら整備作業を行って現場に出ていることもありました。しかし現在は基本的にはYシャツにスラックスで業務にあたり現場で整備をすることはほとんどありません。今まで整備士として勤務してきて、このギャップに戸惑う人も多いのではないでしょうか。僕もその一人でした。『もっと自分の腕で整備がしたい』『整備士としてお客様の役に立ちたい』と自分の中での葛藤がありました。ただマネージャーを経験していくに連れて『なにか違うかもしれない』と思い始めました。マネージャーが実際に整備をすることも、もちろん可能ですが、それ以上にやるべきことがあるのです。
サービスマネージャーがやるべき仕事とは
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- 売上管理
店舗黒字経営のためには、サービス工場が担う数字はとても大事で60%~70%ぐらいを占めております。そのため工場利益100%以上達成を目標にし常に先を見据えた取り組みを考える必要があります。 - 予約台数管理
車検、法定点検、一般修理、リコール、外装修理の前もった予約確定を心掛けるため、営業と作戦を立てて入庫予約促進を実施します。特に車検と法定点検はサービス工場にとって大事な軸となるので特に力を入れる必要があります。 - 部品在庫管理
在庫部品の選定と数量を適正に管理して、部品による作業遅れを無くすひつようがあります。今までの傾向やこれからを予測した部品を在庫に揃え部品の回転率をあげるように心掛けます。 - 保証業務管理
主に保証修理のGOサインを出す役目があります。保証担当者に保証修理完了後の保証書類を完成させてメーカーに保証請求をしたり、部品の品質向上のために、メーカーに報告をしてより精度の高い部品が製作されるように努力します。 - リコール進捗管理
リコールの案内を発送したり、リコール部品数の管理をしたり、対象者リストを使用し、より早い入庫となるよう促進をかけます。より速い対応でお客様の不安を取り除き、信頼が回復するように心掛けます。 - クレーム対応
最優先事項になります。お客様からのクレームを真摯に受け止め、より早い不具合箇所の特定、ご納得していただける説明をして迅速な対応が必要とされます。 - 労務管理
残業の管理、社員の体調管理、毎日平準的な入庫台数にして日によって極端な偏りが無いように管理しなければなりません。社員の健康や疲労をよく考え社員みんなが元気に仕事に取り掛かれるよう努力しなければなりません。 - 工場設備管理
工場設備の毎日の始業点検から異常が見られた場合に速やかに復帰できるように日々管理が必要です。また新型車に必要な特殊工具や、生産性向上のための機器類の導入を考えることが大事になります。 - 5S活動推進
5S活動は単なるアピール活動ではありません。整理・整頓・清掃・清潔・しつけ すべて仕事の効率を上げるためには必要不可欠です。常に整理整頓していることで、どこに何があるかすぐに分かり無駄な時間を少なくできます。これを毎日意識するようにしつけが行き渡っていると、必ず店舗全体が1ランクアップできると思います。 - 部下育成
部下の育成は単に技術力だけであなく、精神的にも、道徳的にもこれからの会社をひっぱれる社員を育てることです。後輩から聞かれたことに対して順をおって素直に教えられる先輩でいることが大事です。
- 売上管理
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ポイント
マネージャーの仕事は工場がスムーズに回転するように社員の負担を無くし補助することが大事になります。誰かの手を止めてしまうのを防ぎ、みんなが気持ちよく仕事ができるよう職場環境を整えて生産性を向上させる管理が必要です
2.エリアマネージャーの仕事は店舗と本部の懸け橋
サービスマネージャーを経験したら次へのステップアップは・営業になる・サービス本部勤務になる・エリア担当のマネージャーになるなどがあります。営業になると完全に整備士からは離れてしまいますが、サービスマネージャーを経験すると、ある程度のお客様との接客術や会話法などを経験してきて、尚且つ整備士としての経験が大きく力になり、お客様への説得力が増すというプラスがあり成功する人も多いと思います。サービス本部勤務はのちほどご説明します。そしてエリアマネージャーについてですが、地区ごとに設けられた地区担当のマネージャーのことをいいます。
エリアマネージャーがやるべき仕事とは
主に店舗サービスマネージャーの仕事を、数店舗管理をする職種になります。本部で決定した重点項目を各店舗に伝達して浸透させる役目があります。また、各店舗の困りごとや悩みを改善できるようにアドバイスしたり、本部に意見を出したりと店舗と本部の懸け橋となり会社のサービス工場のこれからの方向性を担っているといってもいい仕事だと思っています。
3.サービス本部の仕事はすべての管理と改善をする
エリアマネージャーなどを経験し、次のステップアップは本部の仕事になりますが、主に任命される人としては、店長経験者やサービスマネージャー、エリアマネージャーの経験者とさまざまです。特にエリアマネージャーとサービス本部勤務は行ったり来たりと配置換えが行われます。
本部の仕事とは
会社のサービス部門をサービス部長を中心に統括し重点取り組みの決定、技術の支援、メーカー技術部との連携、部用品の選定、完成検査部門の管理などのサービス全ての案件の、協議と支援を、各担当者を置いて取り決めするのが仕事です。エリアマネージャーへ指示を出して店舗に落とし込み、会社全体の足並みを揃えます。また店舗の問題点をエリアマネージャーから吸い上げて、改善方法を考え、良い方法などを店舗へ提案するなど、各店舗ごとにも支援をしていきます。サービス売上達成は大事な目標となりますが、整備工場の適正な運営や、お客様に満足、安心して車を使用していただくことが最大の目標となります。
4.サービス部長
整備士関連のステップアップはサービス部長になることが最終になります。サービス部長になると責任感は高いと思いますが、工場環境整備や人材育成、サービス目標設定など自分が思ってきたこと、おかしいと感じていたところを積極的に推進し、他の部門と意見のすり合わせを行い、決定した事項を先頭に立って先導していくことが重要となるでしょう。世間のこれからの動向を察知して作戦を練り、いわばサービス部門の社長であり、整備工場の健全な運営をしていくこと、掛け替えのない重要な自動車整備士の人材確保、お客様に選んでもらえる店づくりなどが大切であり、会社のためだけではないお客様・現場整備士のためにどれだけ働けるかがサービス部長には求められています。